2010年8月19日
年賀寄附金助成事業実施事例:「NPO法人会計基準の策定と普及」
年賀寄附金助成事業実施事例:「NPO法人会計基準の策定と普及」
1.背景:
NPO法人には会計基準が存在していませんでしたが、NPO法人共通の会計基準により、NPO法人活動の説明責任を果たすことが求められていました。また、この会計基準はNPOがNPOのためにNPOにより策定することが適切と考えられていました。この会計基準を策定し、普及する活動がNPO団体により企画され、多くの支援が行なわれました。年賀寄附金助成事業は策定フェーズ、普及フェーズでこの活動を2年間にわたり支えてきました。
2.年賀寄附金助成事業:
1)平成21年度助成事業
助成事業申請団体:特定非営利活動法人 NPO会計税務専門家ネットワーク
事業名称:「NPO法人のアカウンタビリティを確保するためのNPO法人会計基準策定プロジェクト」
助成金額:500万円
事業の概要:NPO法人には会計基準が存在しない。この点について、内閣府国民生活審議会は平成20年6月に「民間主導で会計基準の策定等を行なうのが適当」という報告書を出し、NPO側の動きに期待している。これを受け、ユーザーであるNPO法人が設定主体(協議会)を形成し会計基準の策定を行なうこととなった。公認会計士、税理士、学識経験者、助成団体や金融機関などの専門家による策定委員会によってドラフトを作成し、パブリックコメントの募集や、全国各地での検討会開催などによって、NPO法人の意見を集約してNPO会計基準を策定し、NPO法人の会計に関する規定の改正を経て定着させることとなった。また、こうした策定プロジェクトの過程で、NPO法人の会計に関する意識を啓発し、アカウンタビリティへの関心を高め、最終的にNPOが実施する事業の品質を向上させて社会福祉の増進に寄与することをめざす。
2)平成22年度助成事業
助成事業申請団体:特定非営利活動法人 シーズ・市民活動を支える制度をつくる会
事業名称:「NPO法人のアカウンタビリティを確保するためのNPO法人会計基準普及プロジェクト」
助成金額:500万円
事業の概要:当事業では会計基準策定後の普及フェーズに焦点を当て、社会福祉をはじめとするNPO全体の発展につなげ、社会福祉の向上に資する。具体的には①NPO法人会計基準の説明会(全国の主要NPO支援団体および関係者を集め基準説明会を行なう)。②NPO法人をとりまく関係者への周知・普及・啓発(勉強会開催や各地説明資料やQ&A集を作成と配布)。③NPO法人の所轄庁への周知と様式例変更の働きかけ。④会計士・税理士への周知、勉強会開催。⑤会計基準に準拠した年度末決算ができるようNPO法人向けのサポート活動を行う。
3.NPO法人会計基準策定の支援者:
1)協議会メンバーとしてプロジェクトに賛同する全国79団体のNPO支援組織が主体となって活動しました。
2)NPO法人会計基準策定の活動は寄附とボランティアにより支えられました。寄附金総額は3千万円にのぼりました。うち年賀寄附金による助成金は平成21年度500万円、22年度500万円の合計1千万円でした。
次の助成団体がこの活動の重要性を認識し、資金助成を行いました。
キリン福祉財団、損保ジャパン記念財団、全国公益法人協会、武田薬品工業株式会社、中央労働金庫、東京都共同募金会、トヨタ財団、ボーイング社、三菱財団、郵便事業株式会社、読売光と愛の事業団
さらに個人・団体から多くの寄附がありました。特に志半ばで逝去された赤塚和俊氏からの寄附は関係者の胸を打ちました。助成財団センターは助成団体をとりまとめて支援しました。
3)策定委員・専門委員を含む関係者は全員ボランティアとして策定事業に参加しました。ボランティアによる時間・知識の提供は資金換算されてはいないが、億円規模にのぼると考えられています。
4.策定プロセスの基本的考え方:
NPO法人会計基準はNPO法人自身が主体的に採用し、多くの法人がこれに準拠して会計報告を行なうことが法の趣旨にかなうと考えられました。
すなわち、NPO法人会計基準はNPO自身が自分のためにこれを策定するのであり、策定における全ての議論を公開し、オブザーバーの参加も得て、終始市民と関係者が発言する機会を確保しオープンに行なうことを趣旨としました。
NPO法人会計基準は 1)市民にとって分りやすい 2)NPO法人の信頼性向上につながることが必要であると考えました。
5.会計基準のポイント:
・従来の収支計算書を活動計算書(損益計算書的)へ
・経常費用を事業費と管理費に分け、さらにそれらを人件費とその他経費に分ける。事業費の内訳等は必要に応じ注記する
・無償・著しく低い価格の施設の提供等やボランティアによる役務の提供等を会計に取り込む
・使途が成約された寄附金等は原則注記とする
・小規模法人への対応(重要性の原則を幅広く)
5.策定プロセス:
2009.3~ 策定委員会を中心に議論(延べ3,000名以上の参加)
2009.11 中間報告を公表 全国17地区で報告会 延べ753名参加 519件のパブコメ
2010.4 最終案を公表 全国15地区で報告会 延べ573名参加 333件のパブコメ
2010.6~7 策定委員会・協議会による詰め
2010.7.20 NPO法人会計基準発表
2010.7~ 普及活動
6.プロジェクトの体制:
「NPO法人会計基準協議会(協議会)」(各地NPO支援組織)が「策定委員会」(NPO会計専門家・NPO経理担当者・助成財団・金融機関等)へ会計基準の策定を諮問。策定委員会は「専門委員会」の支援を受ける。協議会は「アドバイザー委員」と随時意見交換を行う。関心のある者が誰でも参加できるオブザーバー制度を設ける。オブザーバーは協議会・策定委員会に参加して、意見を言い、質問を行なうことができる。
協議会の代表団体は以下の2団体。
特定非営利活動法人 NPO会計税務専門家ネットワーク
特定非営利活動法人 シーズ・市民活動を支える制度をつくる会
事務局は「シーズ・市民活動を支える制度をつくる会」が担当する。
ツールは、冊子・各地検討会・報告会・ヒアリング・パブコメ・オンライン掲示板・ブログ等活用。
7.事業成果:
平成21年度内にNPO法人会計基準の基本的部分につき策定作業を終えることができました。
その後さらなる詰めを行い、平成22年7月20日にNPO法人会計基準を発表しました。
平成22年度にこれら作業と併行して、普及・啓発事業を進めた。実際にNPO法人によりこの基準が採用され、この基準による決算が行なわれることが必要です。
現在、普及・啓発活動は大きな盛り上がりを見せ、全国展開が行なわれています。
8.参考:
NPO法人会計基準 WEBサイト掲載:
みんなでつくろう!NPO法人の会計基準ブログに4つに分けて掲載。閲覧・ダウンロードできます。
http://npokaikei.blog63.fc2.com/
・1.NPO法人会計基準(会計基準)(23MB)
http://www.npoweb.jp/pdf/NPOAccountingStandards-1.pdf
・2.NPO法人会計基準(実務担当者のためのガイドライン)(7MB)
http://www.npoweb.jp/pdf/NPOAccountingStandards-2.pdf
・3.NPO法人会計基準(Q&A前半)(19MB)
http://www.npoweb.jp/pdf/NPOAccountingStandards-3.pdf
・4.NPO法人会計基準(Q&A後半)(13MB)
http://www.npoweb.jp/pdf/NPOAccountingStandards-4.pdf
NPO法人会計基準発表イベントの情報はこちらをご覧ください。
http://npokaikei.blog63.fc2.com/blog-entry-94.html
会計基準普及のためにシーズ・オンライン寄付でご協力いただけます。
クレジットカード・コンビニ決済での寄付が可能になりました!
https://bokinchan.com/cs/





